お歳暮の時期になると、贈る方も贈られる方もいろいろ気になってくるものですよね。
会社勤めの旦那さんの代わりに、奥さんがお歳暮のお礼状を書く方もけっこういらっしゃいます。
女性らしい心遣いで、さりげない気配りができるワンランク上の女性を目指すために、基本的なマナーをしっかり身につけていきましょう。
☆妻が代筆するときに注意しておくことって?
☆お礼状を送るベストなタイミングは?
☆【相手別】お礼状例文テンプレート
☆お礼状が遅くなってしまった時の対処法は?
☆いただいたお歳暮にお返しは必要?
☆お歳暮をお断りする上手な言い回しって?
お礼状を妻が代筆してもよい?
何かと忙しい夫の代わりに妻がお歳暮などのお礼状を書く、というのは、結論からいうと、何も問題ありません。
むしろ、旦那さんが自分でお礼状を書くことの方が少ないくらいです。
一般的に、旦那さん宛に届いたお歳暮でも、お礼状は妻が書く、という人はたくさんいます。
しかし、会社の重役(取締役社長、会長など)や、重要な取引先、もしくは、妻がまったく面識のない人に代筆のお礼状を送るのは失礼に当たりますので、代筆ではなく本人が自筆で書くようにしましょう。
お歳暮のお礼状を妻が代筆する場合、いくつか注意しなくてはならない点がありますので、これから見ていきますね。
お礼状を妻が代筆するときのマナー
お歳暮を贈ってくださった方からすると、贈った相手はあくまで「旦那さん」ですから、妻が代筆する場合であっても「夫の立場に立って書く」というのが基本です。
頂いたものに対しても、自分の感想ではなく、夫の立場での感想を書くのが好ましいです。また、妻である自分が、贈ってくださった相手の方と面識がある場合でも、くだけた感じの文章にならないよう、あくまで形式的にカチッとした文章を書くことが大切です。
「妻が夫の立場に立って」書くお礼状ですから、差出人名は夫の名前にしておくのが一般的です。そして、妻が夫の代わりに書いたことをあらわすため、差出人の夫の名前の左下に、小さく「内」と書いておきます。
一般的なお礼状の書き方の構成は、このようになっています。
②時候の挨拶
③お礼の言葉
④相手の健康を気遣う言葉
⑤結びの言葉
⑤結びの言葉は、女性の場合「かしこ」を使うことが多いですよね。
しかし、夫の代筆で書く場合であれば、結びの言葉は「かしこ」ではなく「敬具」を使うのが正しいマナーとされています。
また、③のお礼の言葉では、よく「結構なお品をいただきまして・・」と書かれることが多いですが、頂いたものを喜んでいる表現として「とても美味しいお菓子をいただきましてありがとうございました。皆で美味しくいただきました」のように書いても気の利いた表現の仕方だと思います。
どれもちょっとしたことばかりですが、こういったさりげない気配りが、夫だけでなく妻であるあなたの印象をグーンとアップしてくれますよ。
正式な文章に句読点はつけない
お礼状だけでなく、招待状や感謝状、弔事に関する文章(弔辞・喪中はがきなど)には句読点を付けない、というルールが存在します。
そういえば、なんで句読点を打たないんだろう・・?って思っていましたが、それにはちゃんとした理由があるんですよ。
★句読点をつけない=幸せが途切れないようにする。
私たちが使っている日本語にもともと句読点は存在していなかったんですが、明治時代のころから、学校で子供が読みやすいように、という意味で付けられ始めました。
こういった経緯があったことから、句読点を打つということは「相手を子ども扱いする、軽んじる」ということにつながったようですね。
また、句読点は「切れる」「終わる」を意味することから、「途切れる」ことにつながると考えられ、幸せが途切れないように句読点を打たない、という慣習が生まれたそうです。
文章を分かりやすく、読みやすくするための句読点ですが、厳粛かつ儀礼的な文章においては格式を下げることにつながり、相手への敬意を表しないという意味にとらえられかねませんので、注意しておきましょう。
ただし、実際のところ句読点のない文章は、逆に読みづらいこともあるため、句読点についてはそこまで厳密に考える必要もないともいえます。
いただいた相手との関係や時と場合によって、句読点に関してはうまく使い分けてもいいかもしれませんね。
お礼状を送るベストなタイミングは?
お歳暮が家に届いたら、さっそくお礼状の準備に取りかかりましょう。
早ければ翌日、遅くとも3日以内にはポストに投函するのが理想です。
お歳暮が届くのは、時期的に12月初旬から12月20日頃にかけてがほとんどですので、限りなく年末に近くなってきます。
しかし、仮にお礼状を出すのが遅れた場合であっても「年賀状のついでにお礼をする」のは失礼に当たりますので、ぜったいに避けるようにしましょう。
お歳暮が届くことを事前にある程度把握しているのであれば、お礼状を出すための封書やハガキを準備しておくなどしておけば安心ですよね。
お礼状は封書?それともハガキ?
お中元やお歳暮などの贈り物に対するお礼状は、封書?それともハガキ?
例えば、送る相手が目上の人や上司、あるいはプライベートな内容が含まれる場合であれば、第三者に見られる心配のない「封書(封筒)」で出さないといけません。
対して、同僚や知人・友人などに対するお礼状、または、お中元・お歳暮・入学祝いや新築祝いなどに対するお礼状の場合であれば、ハガキで出しても大丈夫です。
ただし、慶弔に関するもの(結婚・出産・葬儀など)の場合は、ハガキではなく封書が基本となっていますので十分注意しておきましょうね。
もし、どっちがいいのか分からず悩む場合は、封書にしておくのが一番無難でしょう。
デザインにも一工夫する
お礼状をハガキで出す場合、郵便局などで販売されている「ヤマユリ」「ヤマザクラ」どちらかのデザインの官製はがきで送るのが一般的です。
「ヤマザクラ」の方はインクジェットプリンター対応ではありますが、手書きの場合でもインクの乾きが非常に早いので、どちらかで迷ったらヤマザクラの方がおススメですよ。
また、自分で切手を貼って投函する私製ハガキに、雪だるまや寒つばきなど、季節をあしらったデザインにするのも、とてもセンスがいいですよね。
ただし、原色の強いカラーや派手な色合いは避けるようにしましょう。
お礼状を書く手順は?
お礼状を書き方の構成については、先ほど述べたとおり「頭語」から始まり「結びの言葉」で締めくくりますが、お礼状を送る相手によって、若干書く内容や言葉のニュアンスが変わってくるもの。
◎会社の部下へ
◎両親・義両親へ
◎友人・同僚・親戚へ
◎仲人をした新郎新婦へ
◎子どものママ友へ
これら5つのパターンに分けて例文を作成してありますので、参考になさってくださいね。
お礼状テンプレート【上司へ】
夫の会社上司にお礼状を書く場合、妻が代筆できるのは「妻も面識がある上司」「プライベートでも付き合いのある上司」に限ります。
取締役など会社の上層部にいる上司や、妻がまったく面識のない上司に関しては、必ず贈られた本人が自筆で書くのがマナーです。
※基本的には縦書きがマナーです。
拝啓
師走の候 皆様におかれましては ますますご清祥のことと心よりお喜び申し上げます
この度は思いがけず結構なお品をを頂き 本当にありがとうございました
ご高配を賜り 厚く御礼申し上げます
略儀となりますが 書中をもってお礼申し上げます
寒さもこれからいっそう厳しくなりますので どうかお体を大切にご自愛ください
敬具
〇〇 〇〇(夫の名前)
内
拝啓
師走の候 皆様には益々ご健勝のことと存じ上げます
さて この度は お心のこもったお品を頂戴し 誠にありがとうございました
いつもながらのお心遣い心より感謝申し上げます
寒さも一層厳しくなります折から ご自愛のほどお祈りいたします
まずは略儀ながら書中にてお礼申し上げます
敬具
お礼状テンプレート【上司から部下へ】
部下からお歳暮をいただいた場合のお礼状は、夫の代わりに妻が代筆しても問題ありません。
もし、上司である夫が部下に宛てて自筆で書く場合であれば「これからも一緒に頑張っていきましょう」などと日頃の頑張りを褒めたり、労いの言葉を入れてあげると、親しみがこもった文章になりますよ。
拝啓
年の瀬の 寒気いよいよ厳しい季節となりました 皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか
さて この度は大変結構なお歳暮の品をお送りいただき 本当にありがとうございました
○○は我が家の大好物で さっそく皆で美味しくいただきました
寒さもいっそう厳しくなりますので どうかご自愛いただき 良い年をお迎えください
敬具
〇〇 〇〇(夫の名前)
内
お礼状テンプレート【両親・義両親へ】
義理の両親や自分の両親からお歳暮をいただいた場合、電話でお礼を伝えても構わないと思います。特にお孫さんから電話がかかってくると、とても喜んでくれることでしょう。
ただ、電話がちょっと苦手、とか、忙しくて電話をかけるタイミングが合わない、などの場合、お礼状を送ってもなんら問題ありません。
親しい間柄であることが多いので、あまり形式ばった文章でなはく、親しみを込めた優しい文章にしてあげるといいかもしれませんね。
ちなみに、両親や義両親へのお礼状の場合、贈り先は「夫婦」もしくは「家族」と考え、代筆についてはあまり考えなくてよいと思います。
拝啓
師走に入り少しずつ慌ただしくなってきましたが 皆様元気でお過ごしでしょうか
こちらは 皆元気に過ごしております。
今年も素敵なお品をいただき ありがとうございました
子供たちも大喜びで みんなで美味しくいただきました
これからまだ寒くなりますが くれぐれもお体にお気を付けて 良い年をお迎えください
敬具
お礼状テンプレ【友人・同僚・親戚】
親しい間柄の友人や同僚、親せきなどからお歳暮をいただいた場合も、電話やメールでお礼を伝えても構わないと思います。
ただ、電話だと相手に時間を取らせてしまうし、メールだと味気ない・・と思うのであれば、お礼状を書いて送るのがもっとも丁寧です。
また、贈り主が夫の友人、あるいは夫の同僚の場合に妻が代筆するのであれば、会社の上司の時と同じく、夫の名前の左下に「内」と小さく書き加えておいてもよいでしょう。
拝啓
厳しい寒さが毎日続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか
おかげさまで 私たち家族は皆元気に過ごしております
さてこの度は お心のこもったお品をいただき 誠にありがとうございました
子供たちも大喜びで 家族で美味しくいただきました
いつもながらの優しいお心遣い 心より感謝申し上げます
まだまだ寒さは続くようですので くれぐれも体調を崩されないようお気を付けください
敬具
〇〇 〇〇(夫の名前)
内
お礼状テンプレ【仲人をした新郎新婦】
最近は結婚式に仲人を立てることが少なくなってきましたが、仕事上の関係や家族が強く希望した場合など、仲人を立てて式を挙げるカップルもけっこういるものです。
会社の上司など、いわゆる「頼まれ仲人」の場合、結婚後3年間はお中元やお歳暮を贈るのが慣例となっています。
自分たちが仲人を務めた新郎新婦からお歳暮などの贈り物が届いたら、誠意をもって感謝の気持ちをお礼状にしたため、また、今後なるべく気を遣わせないように配慮することも大切なポイントです。
拝啓
年の瀬もいよいよ押し迫り なにかとご多忙の日々をお過ごしのことと存じます
皆様におかれましては 変わりなくお過ごしでしょうか
この度は大変結構なお品をいただき誠にありがとうございます
いつもお心にかけていただき心より感謝申し上げます
私どもの方こそ 日頃はご無沙汰ばかりで何もお役に立てませんのに恐縮いたしております
どうか今後はあまりお気遣いなさいませんようにお願い申し上げます
厳冬に向かいます折から お体をご自愛くださいますようお祈り申し上げます
お二人の益々のお幸せを心よりお祈り申し上げます
敬具
子供のママ友へのお礼状
子供を通じて知り合ったママ友から、旅行のお土産や贈り物をいただくこともあるでしょう。
わざわざ気を遣ってくれたママ友へ、感謝の気持ちを込めてきちんとお礼をしておきましょう。
ママ友ですから、かしこまった手紙よりもメールやラインの方が気軽でいいかもしれませんね。
○○さんへ
先日は美味しいお菓子をいただきありがとうございました。
子供たちも大喜びしていました。
いつもさりげないお心遣いに感謝しています。
寒い日が続きますので、体調を崩さないようお気を付けください。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
○○より
お礼状が遅くなった!どうする?
お歳暮をいただいたら、できるだけ早くお礼状を書くようにしたいものですが、何らかの理由で遅れてしまう場合も考えられます。
お礼状を出すタイミングが遅れてしまっても、必ず出すのがマナーです。
遅くなってしまったから出さなくてもいいかな・・?は絶対NG!
何も連絡がない場合、贈った方にしてみれば、
「無事に届いたのかしら?」
「ご家族に何か変わったことでもあったのかしら?」
などと、心配になるもの。
お礼状を送るタイミングを逃した場合、お歳暮が届いてから日数が経っていることが多いので、お詫びの一言を入れて書くようにします。
ただし、遅れた理由を言い訳がましく書くのではなく、あくまでも率直に簡潔に書くのがポイント!
◎日々の雑事に追われ、お礼申し上げるのが遅くなってしまったことを、心よりお詫び申し上げます。
このような一文を付け加えるようにしましょう。
拝啓
日ごとに寒さが身に染みる季節になってまいりました
皆様お変わりございませんでしょうか
さて このたびは大変結構なお品をいただき誠にありがとうございます
本来であればすぐにでもお礼申し上げるべきところ 心ならずも遅くなってしまい
大変申し訳ございませんでした
いつもながら きめ細かな心配りに感謝いたしております
寒さが厳しくなってまいりました
ご家族の皆様におかれましては 風邪などお召しになりませんようご自愛くださいませ
敬具
お歳暮のお礼はメールでもいいの?
お中元やお歳暮をいただいた際、本来であれば手書きのお礼状を送るのがマナーです。
しかし、日ごろから親しくしている相手や、両親・親戚などであれば、メールや電話でも問題ありません。
ただ、いただいた相手が会社の上司や目上の人の場合はメールだけで済ませるのはマナー違反です。
どうしてもメールで、という場合「取り急ぎご連絡まで」という形で送っておき、あとで必ず手書きのお礼状を送るようにしましょう。
とくに社内で実際に顔を合わせる機会が多い方の場合、口頭でお礼を伝える場面が出てくると思いますが、その場合でも、後日改めてお礼状を送るのが礼儀です。
メールでお礼を伝える場合、文面は通常のお礼状とほとんど同じと考えていいですが、件名に一目でお歳暮のお礼だと分かるようなタイトル「件名:御歳暮のお礼」「件名:お歳暮ありがたく頂戴いたしました」などと入れると、相手にも伝わりやすくなります。
お歳暮をいただいたらお返しは必要?
日頃の感謝の気持ちをお歳暮に込めているだけなので、基本的にお歳暮にお返しは必要ありません。
お歳暮をいただいたら、気持ちを込めて丁寧にお礼状を送ることで、気持ちは十分伝わるものです。
しかし、頂いた相手が自分より目上の人であったり、友人や同僚であったり、いつもいただいてばかりで恐縮だから、という気持ちがある場合であれば、返礼という形でお贈りしてもよいと思います。
お歳暮のお返しをする際には、これらのことに注意しておきましょう。
☆お歳暮を受け取ってすぐではなく、少し間を空けて贈る。
☆年内であれば「御年賀」として贈る。
☆年明けであれば、松の内(1月7日)までに「御年賀」として贈る
☆松の内以降、上司や目上の人には「寒中御伺」それ以外は「寒中御見舞」として。
☆季節のフルーツやお茶うけ菓子など、気兼ねなく受け取れるものがおすすめ。
ただし、いくら気持ちがこもっていても、
・お歳暮を頂いてすぐにお返しをする。
・お返しの品物が高価すぎる。
・表書きを間違える
これらのことをしてしまうと、相手に大変失礼な印象を与えてしまいますので、十分注意しておきましょう。
お返しする際のタブー
お歳暮をいただいても、お返しの品物はすぐに贈ってはいけません。
あまり早く贈ってしまうと、いかにも”贈られるのをを待ってました、”という風に捉えられかねないからです。
贈り物のお返しをする際には、少なくとも10日後から一か月以内を目途に贈るのが最適なタイミングとされています。
また、いただいたものよりも高価なお返しをするのは”今後は贈っていただかなくて結構です”という意味合いを含んでいるそうです。
また、お返しの品物を包むのし紙は、通常「お歳暮」もしくは「寒中御見舞」などとしますが、「御礼」としてしまうと”もらったから返します。今後は結構です”という意味にとらえられることもありますので要注意です。
意外に知らないことも多いこれらのマナーですが、せっかくの心遣いが相手を不快にさせてしまっては元も子もありませんので、しっかり覚えておきましょうね。
お歳暮をお断りする上手な方法
日頃お世話になっている方への感謝の気持ちをカタチに表す「お歳暮」「お中元」ですが、それまで親交のあった方が亡くなった、あるいは、年月とともに疎遠になっていった、など、受け取る理由がなくなったので、お歳暮などの受け取りをお断りしたいと考える場面も出てくると思います。
お中元やお歳暮って、一度始めるとなにかのキッカケがない限り永遠に続いてしまうもの。
今まで懇意にしていただいた贈り主の方に、角が立たないように、やんわりとお断りする方法がありますので、ぜひご参考になさってください。
まとめ
夫宛に届いたお歳暮のお礼状を妻が代筆する場合の、マナーや注意点についてまとめてみました。
◎会社の重役や重要な取引先、あるいは妻が面識のない人については代筆は避けた方がよい。
◎差出人の夫の名前の左下に小さく「内」を書いて、妻の代筆であることを示す。
◎届いたらできるだけ早く、遅くとも3日以内に投函する。
◎遅くなってもお礼状は必ず出す。
◎遅れて出す場合は、お詫びの一言を添える。
◎親しい間柄の人であればメールや電話でもOK
◎お歳暮のお返しは基本的には不要。お返しを贈る場合、同額~半額程度の品を贈る。
そのほか、お歳暮を今後お断りするときの上手な言い回しについては、以下の別記事に詳しくまとめてあります。
よかったらぜひご参考になさってくださいね。
>>続けてきたお歳暮を今後贈らないようにするためにはどうするのがいい?
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