喪中はがきに故人の名前は書くべき?
一般的に喪中はがきには,亡くなった方のお名前を入れるのが常識であるかのように
思われていますが,実はそうでもないんです。
例えば家族で同じ喪中はがきを使用する場合,立場によって続柄が「父」であったり「祖父」であったりしますので,あえて名前などの記載のない喪中はがきを使うことがあります。
また,他界された方が遠い親戚だったりする場合も,喪中はがきを送った相手の方に余計な気を遣わせないようにするために,氏名の記載を省く場合があります。
それと,あまりあってほしくないことではありますが,同年中に不幸が重なる場合もあえて「氏名を省略する」場合が考えられます。
本来,喪中はがきというのは,
「大切な身内を失った悲しみから,お祝い事などの華美な行事をする気持ちになれません。
祝詞を述べることができませんので,年賀状の送付を欠礼します」
という意思を相手に伝えるもの。
つまり「年賀状をおくりませんのであしからず」と相手に通知しているだけのものです。
ですから「誰々が亡くなりました」という通知ではないという意味からも,故人の名前等の記載は必須ではないんです。
ひと昔前までは喪中はがきに故人名や享年などの記載は当たり前だとされていましたが,最近の時代の流れとして「故人名などの情報を載せない」喪中はがきが増えてきているのも事実。
ネット印刷注文や文房具店などでも「故人名なしの一般的な喪中はがき」が数多く販売されるようになってきています。それだけ需要が増えてきているんですね。
喪中はがきも,できるだけ迅速に,そして安価に作成・発送するという方向に
時代の流れが変わってきているのかもしれません。
喪中はがきに亡くなった人の名前を入れない文面は?
故人のお名前や続柄などを記載しない場合,
ネット上にも「喪中はがき無料テンプレート」が数多く存在しますし,コンビニエンスストアや文房具店などでも手軽に購入することができます。
一般的な文面はこのようなものです。
喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
寒さに向かう折から皆様のご健勝をお祈り申し上げます
令和元年十二月
自分で喪中はがきを作成する場合,気を付けるべきいくつかのポイントがあります。
その一つとして「忌み言葉」があります。
忌み言葉とは,ストレート過ぎる表現や2回目を意味するような言葉のことです。
例えば,「死去」「死亡」「重ね重ね」「追伸」などの言葉です。
このような言葉をどうしても使う場合は,他の言葉に置き換えて使用する必要があります。
「死去」「死亡」であれば「永眠」「旅立つ」などの言葉に置き換えると,
さほど問題ありません。
そして,なかでも注意したいのが「ご冥福をお祈りいたします」という言葉です。
この言葉は神道やキリスト教、浄土真宗では使用してはいけない言葉だと言われています。
やむを得ずこのような言葉を使用するときは
「謹んで哀悼の意を表します」もしくは「安らかな眠りにつかれますことをお祈り致します」など、宗教・宗派に合わせて言い換える必要があることを忘れないようにしましょう。
喪中はがきを書く際の注意点について
喪中はがきに記載する日付は,実際に書いた日やポストに投函する日ではなく
「その年の十二月」とするのがマナーです。
そして,日付や住所の番地なども必ず「漢数字で」書くようにしましょう。
また,もう一つのポイントとして「薄墨で書く」という点が挙げられます。
香典や喪中などの弔事に際しては通常「薄墨を使用する」のが原則とされています。
これは「涙のために墨が滲んでしまった」
「あまりにも突然の出来事で,十分に墨をすることができなかった」など,
「大切な人を失った悲しみを表す」というところから来ています。
しかし,薄墨で書くと郵便物の仕分けの際に困難になるのでは?
と心配になりますよね。
実際,あまりにも薄すぎるような文字は判別が困難になることがあるようですが,
基本的には薄墨で宛名書きしても問題はないとされています。
また,ご自宅のパソコンなどで喪中はがきを作成される場合,はがき作成ソフト自体に薄墨設定ができるものの多くあります。
薄墨設定で印刷したハガキについては,郵便局の仕分けの機械でも確実に読み取ることができます。
しかし,薄墨印刷設定がない場合は普通の黒字で印刷することをおススメします。
灰色(グレー)で印刷することも可能ですが,郵便局の機械で読み取りにくくなるばかりか,印刷の文字もなんだかビミョーな感じになってしまいますので,あまり薄墨であることにこだわる必要はないと言えるでしょう。
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