ついこの間中学校に入学したと思ったら、あっという間に卒業式!
小学校の6年間と比べて、中学校の3年間は早いといいますが、本当にあっという間の3年間でした。
とくに、思春期という一番多感な時期を過ごす中学校生活ですから、親も先生も感慨深いものがあるものです。
いろんな意味でお世話になることが多かった中学校の先生に、ぜひ感謝の手紙を送りたい!
でも、実際どんなふうに書けばよいか分からない・・・
そんな時に役立つ、保護者から先生への手紙の書き方のポイントについて、実際の体験も交えながらできるだけ分かりやすくご紹介していこうと思います。
中学校でお世話になった担任の先生へ
小学生と違って中学生の場合、教科によって先生がバラバラですから、担任の先生と接する機会が少ないように思われがちです。
しかし、思春期・反抗期真っ只中の中学生たちですから、授業時間以外でもいろんな悩みが出てくるもの。
実際わが息子も、小学生の時にはおとなしく、悪さもしませんでしたが、中学生になってしばらくしたころから、休み時間に友達と悪ふざけをして怒られ、担任の先生からしょっちゅう親に電話がかかってきたものです。
いろんなことが不安定な思春期という成長過程ですから、ある程度は仕方ないとあきらめつつも、辛抱強く指導してくださった担任の先生には、親として本当に感謝してもしきれないものなんですね。
そして、もっともお世話になるのが中3の時の担任の先生です。
公立中学校の場合、高校受験を控えた大切な時期ですから、担任の先生との連絡は日々欠かせないものとなってきます。
志望校を決め、いざ受験に向かう中で、さまざまな悩み・迷いが出てくる子供たち。
時にはイライラして先生や親に八つ当たりしたり、キツイ言葉をぶつけることも数知れずあったことと思います。
そんな中でも、辛抱強く子供の心に寄り添ってくださった担任の先生がいたからこそ、自分の進むべき道をしっかりと見つけることができた子供たち。
子供の将来の進路を決める大切な時期をともに過ごした担任の先生ですから、卒業する最後の日には、保護者から感謝の気持ちを込めて手紙を贈りたいものです。
書くときのポイントは?
担任の先生に感謝の手紙を書く場合、気を付けるポイントが4つあります。
- 便箋に手書きで書く。
- 家庭での子供の様子を伝える。
- 長くても便箋2~3枚程度にする。
- 封筒に入れて手渡す。
さっそくひとつずつ見ていきますね。
便箋に手書きで書く
手紙ですから、やはり便せんに手書きで書くのが基本です。
真っ白の無地でなくても、100均で売っているような可愛い柄が入ったものでもなんでもいいと思います。
先生への手紙ですから、あまりないとは思いますが、ちょっとしたメッセージカードとかメモ用紙などに書くのはNGです。
また、よくありがちなのが、
あまり字に自信がないから、パソコンで書いてもいいよね・・?
というもの。
一見よさそうに思えますが、これはやはり良くないと思います。
同じ言葉を書くのに、手書きで書いたものと、パソコンで入力したものとを比べてみると、違いは明らかですよね。
少なくとも、今まで子供がお世話になった先生に感謝の気持ちを込めて書くものですから、どんなに字が汚くても、心を込めて自分の字で書くようにした方がいいと思います。
書くものは、別に万年筆とか筆ペンじゃなくても、普通のボールペンで構いませんので、ゆっくりと心を込めて書くようにしましょう。
手書きが一番うれしいです!
子供の家庭での様子を書く
学校の先生がもっとも知りたいのが、「生徒の家庭での様子」なんだそう。
とくに中学生ともなると、学校ではカッコイイ様子しか見せませんから、その子の本当の姿が見えてこないことが多いものです。
学校ではこんな様子だったけど、家に帰るとこんなこと言ってたよーとか、学校ではクールに構えてたけど、家ではめちゃうれしそうにしてましたよ、とか(^^
親しか知り得ない、その子の様子を簡単に書き添えておくだけで、手紙の内容がグッと濃くなるものです。
あ、ただし、あまり赤裸々に書いちゃうと、後で子供にバレたときに怒られちゃいますので、ご注意を・・・笑
便せんに2~3枚がベスト!
書くことが多すぎて、気が付いたら便せん10枚も書いてたわ!
なんてことは、あまりないと思いますが(笑)枚数は少なくとも2~3枚にしておくようにしましょう。
たくさんの生徒から手紙をもらう先生だと、あまり多すぎると全部に目が通せない可能性があります。
せっかく気持ちを込めて書いても、読んでもらえなかったりすると、残念ですよね。
1枚に簡潔にまとめて書くのもいいですが、文字数が少なすぎて、形式的な言葉ばかりが並んだ面白みに欠ける文章になっちゃいます。
ボリューム感的にも2枚以上は書く方が、まとまりがよく、読みやすい文章になると思いますよ。
封筒に入れて先生に手渡す
実際に書いた手紙を先生に渡すときは、必ず封筒に入れて、出来れば直接手渡すのがベストです。
便せんのまま渡す人はいないと思いますが、封筒に入れて「〇〇先生へ」のように宛名を書いておかないと、卒業式の日、先生方はただでさえバタバタされていますので、うっかり失くしてしまわないよう、宛名と差出人名は必ず書いておくようにしましょうね。
ちなみに、もし当日先生に渡すことができなかった場合は、どのようにすればよいでしょうか?
後日学校に連絡するなどして、本来ならば先生に直接手渡ししたいところ。
でも、そうすると、ほかの先生たちの目がやはり気になるものです。
もし、先生の住所を知っている場合であれば、後日ご自宅に郵送してもいいかもしれませんが、手紙を学校宛に郵送したり、先生の住所を訪ねたりするのはやめておいた方が無難です。
せっかく書いた手紙ですから、先生にお渡したいのはやまやまですが、当日渡しそびれたのであれば、潔くあきらめることも大切かもしれませんね。
実際の文例をご紹介!
拝啓
春寒もようやく和らぎ、過ごしやすい季節となってまいりました。
〇〇先生にはこの一年間本当にお世話になり、感謝いたしております。
思春期という多感な時期ということもあり、親子で悩み苦しい時期もたくさんありましたが、先生に温かく見守っていただいたおかげで、無事この日を迎えることができました。
先生の熱心なご指導に心より感謝いたしております。
高校生になっても、きっと今までの思い出を胸に逞しく歩んでくれることでしょう。
一年間という短い時間でしたが、〇〇先生が担任の先生で本当に良かったと感じております。
末筆ながら、○○先生のご健康とますますのご活躍をお祈りいたします。
敬具
具体的なエピソード、例えば、
- 進路のことで悩んでいた時、先生はいつも親身になって相談に乗ってくださいました。ここまで親身になって接してくださったのは先生が初めてでしたので、本当にうれしかったことを覚えています。
- 受験勉強に身が入らず、どうしてよいか分からなくなった息子に、親身になって声をかけてくださったおかげで、無事志望校に合格することができました。先生には本当に感謝しております。
このような文章を入れて書くと、先生との思い出や感謝の気持ちがグッと伝わりやすくなりますよ。
部活の顧問の先生へお礼の手紙
中学校生活の中で、担任の先生の次、もしくはそれ以上に関わりが深くなるのが、部活の顧問の先生ですよね!
部活動に一生懸命に取り組むことによって、目標に向かって全力で頑張る力、仲間を大切にする心などが培われていくわけですが、顧問の先生との信頼関係も非常に大切になってきます。
わが子は中学校3年間、ずっとサッカー部に所属していましたが、土日祝ほとんど休みなく練習や試合に明け暮れていました。
家族と過ごす時間よりも、サッカー部の仲間や顧問の先生との時間の方がよっぽど長かったため、先生との関りも日に日に深まっていったようです。
そして何よりも部活動を通じて、粘り強くやり抜く力・仲間を信頼する心など、家庭では学べない大切なことを、厳しい指導の中でしっかりと身に付けていただきました。
部活動を指導してくださった顧問の先生には、本当に感謝してもしきれないくらいです。
そんな親としての感謝の気持ちを、卒業前に顧問の先生にぜひお伝えするために、手紙として贈る絶好の機会ではないでしょうか。
書き方のポイントは?
顧問の先生に贈る手紙の場合も、前述の担任の先生に贈る場合と、基本的にはまったく同じです。
便せん2~3枚に、できるだけ直筆で書く。
渡すときは封筒に入れて、直接手渡すのがベスト。
ただ、注意しなければならない点として、卒業式当日に部活の顧問の先生と、直接お会いできるかどうか分からない、ということなんですよね。
卒業式ですから、担任の先生にはほぼ100%会うことができますが、例えば、顧問の先生がほかの学年を担任されている場合、どこにいるか分からない・・なんてことも考えられます。
そういったトラブルの対処法については、後述の「保護者から先生への手紙を渡すタイミングと注意点」に書いてありますので、ぜひ参考になさってみてくださいね!
実際の文例をご紹介
拝啓
厳しい冬の寒さも和らぎ、生命の息吹が感じられる季節になりました。
先生にはサッカー部の顧問として3年間ご指導していただき、心より感謝いたしております。
思春期という多感な時期であるが故、ご迷惑をおかけすることも多々ございましたが、優しく、時には厳しく見守っていただいたおかげで、息子も一回り成長することができたと感じております。
仲間と一緒に頑張った大会では、みんなで力を合わせて目標へ向かって突き進むことを学ばせていただきました。
○○先生がサッカー部の顧問の先生で本当に良かったと、親子ともども感じております。
これからも、きっと息子の前にはいろんな試練が待っていることと思います。
どんな時でも、先生や部活の仲間から学んだ、決してあきらめない心を胸に、より一層逞しく成長していくことを、親として切に願うばかりです。
最後になりましたが、先生にはくれぐれもお体を大切に、益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具
この場合も担任の先生の時と同じく、具体的なエピソードを適度に織り交ぜて書くと、より一層気持ちが伝わりやすくなりますよ。
保護者から先生へ手紙を渡すタイミングと注意点は?
卒業式の当日って、担任の先生はもちろんのこと、ほかの学年の先生方も何かとバタバタされているものです。
でも、なんとかして保護者から先生方に感謝の手紙を渡したいと思ったら、どのようにするのがベストなのでしょうか?
担任の先生の場合
もし、卒業式までに学校に行く機会があれば、その時に先生にお渡しするのがもっともいいタイミングです。それだと、お互いに余裕をもってお話することもできますしね。
卒業式当日に、保護者から担任の先生に、感謝の手紙を渡すタイミングとしてベストだと考えられるのは、式が終わって各教室に帰った後、だと思います。
学校によってやり方が違うと思いますので一概には言えませんが、わが子の通っていた中学校は、卒業式が終了した後、生徒と保護者が一緒に教室に入り、担任の先生の話を聞く時間があったものです。
そのあと、保護者と生徒がクラスを後にするのですが、ほかの保護者達がいなくなった時を狙ってすかさず先生に、
「先生、今まで本当にありがとうございました!お忙しいと思いますが、もしよろしければお時間のある時にお目通しいただければ幸いです。」
などの一言添えて、渡すのがベストだと思います。
あまり長時間話していると、先生もお忙しいでしょうし、ほかの保護者の目についてあらぬ誤解を招いてもいけませんしね。
部活の顧問の先生はどうする?
部活の顧問の先生が同じ学年の先生だと話が早いのですが、違う学年を担任されている場合、ちょっとテクニックが必要になります。
担任の先生の時と同じように、卒業式当日までに学校に行く便があれば、そのタイミングで事前にお渡しするのがベストなんですが、実際はなかなか行く機会がないものですよね。
もっとも良いのは、子供に手紙を預けておく、という方法です。
式が終わった後、お世話になった部活動の先生に子供たちは必ず挨拶に行くものです。
そこで大抵、部活動の後輩から寄せ書きやプレゼントをもらったり、みんなで集合写真を撮ったりするんですよね。
先生によっては、卒業生一人一人に声をかけてくださるものです。
そのタイミングで、どさくさに紛れて手紙を渡すのもいいし、ほかの部員の目が気になるようだったら、帰り際にそっと手渡すのも良いと思います。
とはいえ中学生、とくに男子の場合、
あ、渡すの忘れたわ。
なんてこともよくある話。
万が一そうなっても、手紙をどこかに落とした、とか、失くした、なんてことにだけはならないようにしたいものですよね(笑)
離任・転任する先生へ挨拶の文例は?
公立学校の場合、先生たちの離任・転任・退任については、卒業式が済んだあとに発表されることが多くなっています。
中学生が卒業式を迎える頃には、まだ先生の異動については何も分かっていないのが普通ですが、卒業したあと、担任してくださった先生や顧問の先生の異動が分かった場合にはどのようにしたらいいのでしょうか?
卒業した後ですので、基本的には何もしなくてもよいと思いますが、特にお世話になった先生の場合、何かしら挨拶をしておいてもいいかもしれませんね。
離任・転任・退任する先生への挨拶や餞別は、在校生の保護者が取りまとめて行うことが多いのですが、もしチャンスがあれば、早めにお礼の手紙を一緒に渡してもらうようお願いしたりしても良いと思います。
離任・転任・退任する先生へ保護者が手紙を書く場合の例文をご紹介していますので、参考になさってみてくださいね。
拝啓
やわらかな春光に心躍る季節となりました。
〇〇先生におかれましては、ますますご健勝にお過ごしのこととお喜び申し上げます。
この度は□□中学校へご転任と聞き、大変驚いております。
中学3年生という難しい時期を迎えた子供達ですが、先生は嫌な顔一つせず熱心にご指導してくださいました。
最初は反抗的な子供達でしたが、いつも真剣に向き合ってくださる先生の姿を見て、安心感と信頼感が高まったことを今でも忘れません。
一年間という短い時間ではございましたが、先生が担任で本当に良かったと感じております。
この3月末で異動されると聞き、どうしても一言お礼を申し上げたくご連絡差し上げた次第です。
新しい学校に赴任されましても、どうかお体を大切に、益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
○○先生、本当にありがとうございました。
敬具
先生へ花束など贈り物をする場合の注意点
保護者から先生へ手紙を渡す際、一緒に花束を贈ってもいいですよね。
部活の顧問の先生でしたら、部員の保護者が一緒にお金を出し合って贈ってもいいですし、個人的にお世話になった先生には、個人で贈っても良いと思います。
ただ、まれではありますが、過去にこんなケースがありました。
中学校で大変お世話になった顧問の先生が異動される際のこと。みんなで先生に花束を贈りましょう、ということになり、保護者の一人が中心となって一人500円ずつ集めていたんですが、ある一人の保護者が、
公立学校の先生に贈り物って、法律違反じゃないの?
こんなことを言い出したんですね。
そういわれると、実際誰も反論できず、結局花束を贈るという話はなくなってしまったんです。
これが本当なら、せっかくのお祝い事なのに、なんだか白けた感じになっちゃいますよね。
でも、卒業式や離退任式の時、先生に花束を贈っている姿を実際何度も見たことがありましたので、どうしても納得がいかず、教育委員会に電話して聞いてみることにしました。
ドキドキしましたけど(笑)
で、回答の方はというと、こんな感じでした。
一般的に贈答が禁止されている法律というのは「国家公務員倫理法」なので、地方公務員である公立中学校の先生はこれに該当しないと思います。
ただし、この場合も利害関係の絡む業者などに限定されることが多いため、利害関係がない場合は該当しないと考えられます。
つまり、このようなケースはおそらく法律違反に該当しないと思いますよ。
要するに、お世話になった先生にお礼の気持ちを届けたい、という純粋な気持ちで贈り物をする分には別段問題はない、ということでしょうね。
とはいえ、一人でも反対の人がいる限り、無理してしないほうがいいかもしれません。
もし、個人的に贈りものをする時であっても、可能であれば事前に確認する方がいいと思いますよ。
まとめ
卒業シーズンになり、お世話になった先生に保護者が手紙を書く場合の注意点や、書き方のポイントなどについてみてきました。
- 便せんに手書きで書く。
- 家庭での様子を書くと良い。
- 便せんに2~3枚が読みやすい。
- 封筒に入れて手渡す。
- 卒業式に渡すのであれば、タイミングが大切。
- 贈りものをする時は事前に確認が必要。
子供が小さかった頃はもちろんですが、小学生・中学生になった今も、子育てに日々悩む毎日です。
特に母親って、一人で頑張っちゃうんですよねー。
でも、結局うまくいかないことばかり・・
そんな時に頼りになるのは、やはり親の次に子供の姿をよく見てくれている学校の先生なんですよね。
多感で不安定な思春期を一緒に乗り越えてくださった先生方に、ぜひ保護者の方からも感謝の気持ちを伝えてあげてください。
きっと、喜ばれると思いますよ!
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